2025年シーズン、MLBの前半戦で最も注目を集めているスラッガーの一人が、シアトル・マリナーズの捕手カル・ローリーだ。6月21日のカブス戦で今季30本目のホームランを放ち、スイッチヒッターとして史上初めてオールスターブレーク前に30本塁打を記録した選手となった。
この記録は、かつての伝説的スイッチヒッターたち――ミッキー・マントル、ホセ・ラミレス、ランス・バークマン――が成し得なかった偉業であり、ローリーはその壁を打ち破った。しかも、マリナーズの75試合目での達成というスピード感も特筆に値する。これは2001年のバリー・ボンズやルイス・ゴンザレス以来の快挙だ。
では、オールスターブレークまでに彼はあと何本ホームランを積み重ねるのか？
現在のペースを維持すれば、前半戦終了時点で35本前後に到達する可能性も十分にある。特に、ここ数試合での量産ぶりを見れば、さらなる記録更新も夢ではない。ローリーは前日にも2本塁打を放っており、まさに“ゾーン”に入っている状態だ。
オールスターブレーク前のホームラン記録を塗り替えるか?
オールスターブレーク前のホームラン記録は2001年にバリー・ボンズの残した39本が最多となっている。
ちなみに2001年はバリー・ボンズが73本のホームランを打ったシーズンホームラン記録となっている。つまりカル・ローリーがこの記録を抜くようなら、シーズンホームラン記録の更新も夢ではないということになる。
以下は、オールスターブレーク前に最も多くのホームランを放った選手たちのトップ10である
バリー・ボンズ 2001年 39本
クリス・デービス 2013年 37本
マーク・マグワイヤ 1998年 37本
レジー・ジャクソン 1969年 37本
ルイス・ゴンザレス 2001年 35本
ケン・グリフィーJr 1998 35本
アーロン・ジャッジ 2024年 34本
フランク・ハワード 1969年 34本
アーロン・ジャッジ 2022年 33本
大谷翔平 2021年 33本
※33本はジャッジ、大谷を含めて7人いる。
6月26日現在カル・ローリーは32本をホームランを打っており、あと7本は十分に射程圏内。
オールスターは7月16日。それまでにどれだけホームランを積み上げるのか。期待したい。